合成界面活性剤とは？肌への影響や無添加化粧品との違いを解説

化粧品に配合されている成分の中で、合成界面活性剤はよく見かける成分です。合成界面活性剤とは、どのような成分なのか、肌への影響や無添加化粧品との違いについて解説します。

合成界面活性剤とは？

合成界面活性剤は、化粧品や洗浄製品などの製品に含まれる特別な成分の一つです。

界面活性剤は、水と油のような異なるものが一緒に混ざるのを助けます。

たとえば、洗顔料やシャンプーなどの製品では、水と油が混ざり合っています。しかし、水と油は本来は一緒に混ざりにくいものなのです。ここで、合成界面活性剤が登場し、水と油を一緒に持っていくお手伝いをしてくれるのです。

合成界面活性剤は、洗顔料が泡立つのを助けたり、シャンプーが髪をキレイに洗うのを助けたり、歯磨き粉が歯を磨くのを助けたりするのに使われます。それは、化粧品や洗浄製品がより効果的にするのに大切な成分なのです。

要するに、合成界面活性剤は、私たちが毎日使う製品を使いやすく、効果的にするための特別な材料であり、化粧品や洗浄製品に使われています。

合成界面活性剤の種類

合成界面活性剤の一般的な種類としては、以下のようなものがあります。

• 陰イオン性界面活性剤
  あ
  水と油を混ぜ合わせる力が一番強い種類です。洗浄力が高く、泡立ちが良いため、シャンプーや洗顔料などに多く配合されています。
  あ
• 陽イオン性界面活性剤
  あ
  静電気防止やヘアコンディショニング、粘度調整などに使用されます。
  あ
• 非イオン性界面活性剤
  あ
  刺激性が少なく、肌への負担が少ないため、乳液やクリームなどの保湿剤に多く配合されています。
  あ
• 両性界面活性剤
  あ
  親水性と親油性の両方の性質を持つため、泡立ちが良く、肌への刺激が少ないのが特徴です。シャンプーや洗顔料、乳液などに配合されています。

合成界面活性剤の例：
ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート、クオタニウムー●、ＰＥＧ（ポリエチレングリコール）－4、セテスー●　ココイルイセチオンＮａ、他多数（●の部分は、数字が入ります）
参考：日本オーガニックコスメ協会：合成界面活性剤

• 洗浄剤としての働き：水と油を混ぜ合わせることで、汚れを落とす。
• 乳化剤としての働き：水と油を乳化させることで、均一な状態にする。
• 保湿剤としての働き：水と油を結びつけることで、肌にうるおいを与える。
• 柔軟剤としての働き：肌の表面を滑らかにすることで、なめらかな感触を与える。

合成界面活性剤は、水と油を混ぜ合わせる働きを持つため、化粧品ではさまざまな用途に使用されています。

合成界面活性剤の肌への影響・危険性

合成界面活性剤は、洗顔料、シャンプー、ボディウォッシュ、歯磨き粉など多くの製品に使われています。これらの成分は、汚れや油を取り除くのに役立つのですが、肌にいくつかの影響が出ることがあります。

• 皮膚の乾燥
  あ
  合成界面活性剤を使用すると、皮膚の自然な油分も一緒に取り除いてしまい、肌が乾燥しやすくなります。乾燥した肌はかゆみやひび割れの原因になります。
  あ
• 皮膚刺激
  あ
  合成界面活性剤が強力すぎる場合、肌を刺激してしまうことがあります。これは赤みやかゆみを引き起こすことがあります。
  あ
• アレルギー反応
  あ
  一部の人々は、合成界面活性剤に対してアレルギー反応を起こすことがあります。かぶれたり、発疹ができたりすることがあります。特に、パラベンやフェノキシエタノールなどの合成防腐剤と配合されている場合、アレルギーのリスクが高くなると言われています。

合成界面活性剤は、肌の角質層を溶かし、肌の水分を奪う働きがあります。そのため、肌が乾燥しやすい人や敏感肌の人は、合成界面活性剤の配合量が多い化粧品は避けるようにしましょう。

※合成界面活性剤の危険性

日本では、厚生労働省が合成界面活性剤の安全性について、毒性試験や皮膚刺激試験などを実施しています。 これらの試験の結果、合成界面活性剤は、一般的に使用される濃度では人体に安全であると評価されています。ただし、敏感肌やアトピー性皮膚炎の人は、合成界面活性剤による肌への刺激を受けやすいため、注意が必要です。

合成界面活性剤の見分け方

化粧品に配合されている成分は、容器の裏面に記載されています。成分表示を見ると、合成界面活性剤が配合されているかどうかを確認することができます。

陰イオン性	ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルベタイン、ココイルグルタミン酸Na、ココイルメチルタウリンNa、ラウリン酸K
陽イオン性	セチルトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベントナイト
非イオン性	ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
両性界面活性剤	ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルグリシンK

また、商品名やパッケージに、「洗浄力が高い」「泡立ちが良い」「さっぱりする」などの言葉が含まれている場合は、合成界面活性剤が配合されている可能性が高いです。

化粧品に配合されている成分名がわからない場合は、メーカーに問い合わせて確認することができます。 化粧品メーカーのホームページやお問い合わせ窓口に連絡して、商品名や使用目的を伝えると、成分名を教えてもらえるでしょう。

最近では、天然由来の界面活性剤を使用した化粧品も増えてきています。天然由来の界面活性剤は、刺激性が少なく、環境への負荷も少ないのが特徴です。

天然由来の界面活性剤の例としては、ガゼイン、レシチン、サポニンやリン脂質、ペプチド、ラウリン酸Ｎａ、ショ糖脂肪酸エステル、ココイル、コカミドなど。

化粧品の成分表示をよく確認することで、合成界面活性剤の有無や種類を見分けることができます。ただし、あくまでも目安ですので、肌荒れやアレルギーなどの症状が現れた場合は、使用を中止するようにしましょう。

合成界面活性剤と無添加化粧品との違い

合成界面活性剤は、化粧品や洗浄製品（シャンプーやボディウォッシュなど）に含まれている特別な成分です。これらの成分は、泡立ちや汚れの落としやすさを向上させるのに役立ちます。しかし、一部の合成界面活性剤は、肌に過度な乾燥や刺激を引き起こす可能性があります。また、アレルギー反応を引き起こすこともあります。

無添加化粧品は、合成界面活性剤や他の合成化学物質を含まない、自然な成分を使った化粧品のことを指します。これらの化粧品は通常、合成成分をできるだけ避け、肌にやさしいとされています。 無添加化粧品は、肌に対する刺激やアレルギーのリスクを減らしてケアができます。

	合成界面活性剤	無添加化粧品
洗浄力	高い	低い
保湿力	高い	低い
肌への刺激	高い場合あり	低い
効果	高い	低い

無添加化粧品は、合成界面活性剤による肌への刺激を抑えたい人におすすめです。ただし、無添加化粧品は、合成界面活性剤の代わりに、天然由来の界面活性剤が配合されている場合があります。天然由来の界面活性剤でも、肌への刺激を与える可能性があるため、注意が必要です。

まとめ

合成界面活性剤は、水と油を混ぜ合わせる働きを持つ成分です。化粧品では、洗浄剤や乳化剤として使用されます。 合成界面活性剤は、肌への刺激を与える可能性がある成分です。特に、洗浄力が強い合成界面活性剤は、肌の乾燥や肌荒れを引き起こす可能性があります。

無添加化粧品は、合成界面活性剤などの特定の成分が配合されていない化粧品です。肌への刺激が少ないことがメリットですが、洗浄力や保湿力が弱い場合があるというデメリットもあります。

化粧品を選ぶ際には、合成界面活性剤の種類や配合量をチェックして、自分に合った化粧品を選ぶようにしましょう。