「うるおいを補うことは肌機能の改善とは違います」と聞いたのですが…どういうこと?
肌は、うるおいを保つことで、外部からの刺激から守られ、弾力やハリを維持することができます。そのため、肌の乾燥を防ぐことは、美肌を保つために大切です。
しかし、うるおいを補うことと、肌機能の改善とは、必ずしも同じではありません。うるおいを補うことで、肌の乾燥は改善されますが、肌の機能を根本的に改善するには、それだけでは不十分なんですよね…。
「うるおいを補うことは肌機能の改善とは違います。」について、わかりやすく説明します。
肌の基本構造
まず、肌の基本的な構造を理解しましょう。肌は表皮と真皮という二つの主要な層から成り立っています。これらの層はそれぞれ異なる役割を果たし、肌の健康と美しさを保つ上で重要な役割を果たしています。
表皮 :表皮は肌の最も外側に位置し、外部からの刺激や環境から肌を保護するバリアの役割を果たします。また、表皮には角層と呼ばれる最も外側の層があります。角層は細胞間脂質で覆われ、肌のうるおいを保つ要因となります。細胞間脂質が不足すると、角層のバリア機能が低下し、水分が蒸発しやすくなり、それが乾燥肌の原因となります。
真皮 :真皮は表皮の下に位置し、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの繊維質で構成されています。真皮は肌の弾力性やハリを維持する役割を果たし、肌の若々しさに重要な影響を与えます。しかし、年齢や紫外線などの外部の影響を受けダメージが蓄積され、その結果、シワやたるみなどの肌の老化が引き起こされます。
表皮と真皮は、それぞれ異なる役割を果たしながら、皮膚の健康を維持しています。
うるおいを補うこととは?
うるおいを補給することは、水分と油分のバランスを整えることです。
うるおいを補うとは、肌が本来持っている水分と油分を適切に保つことです。肌の水分量が不足すると、肌の表面が乾燥し、バリア機能が低下します。その結果、肌荒れや小じわなどのトラブルを引き起こしやすくなります。
うるおいを補うことは主に表皮の表面的な状態を改善することであり、真皮の状態には影響を与えません。真皮の問題、例えばコラーゲンやエラスチンの減少による肌の弾力性の低下には対処できません。
補足として、
「うるおいを補う」という言葉は、一般的には「肌の乾燥を防ぐ」という意味で使われます。しかし、肌の乾燥は、肌の水分量が不足するだけでなく、肌の油分量が不足することも原因となります。そのため、うるおいを補うためには、水分と油分の両方を適切に保つことが重要です。
また、うるおいを補うことは、肌のハリや弾力を保つことにもつながります。肌に水分と油分が十分にあれば、肌の細胞がふっくらと膨らみ、ハリや弾力のある肌を維持することができます。
肌機能の改善とは?
肌機能の改善とは、肌自体が持つ力を高めるプロセスです。
肌機能の改善とは、肌の持つ本来の機能を回復・向上させることです。肌には、外部からの刺激から肌を守るバリア機能、肌の水分量を保つ保湿機能、肌のターンオーバーを正常に行う機能など、さまざまな機能があります。これらの機能が低下すると、肌荒れや乾燥、シミなどの肌トラブルを引き起こす原因となります。
肌機能の改善を行っても、表皮と呼ばれる肌の最も外側の層の水分量には直接的な影響を与えません。
肌機能の改善とは、肌の保湿力、バリア機能、ターンオーバーの乱れを改善することを目的としているので、長期的に継続していくことが必要です。
うるおいを補うことと肌機能の改善とは違う
うるおいを補うことは、肌の表面の水分量を増やすことで、肌を乾燥から守ることができます。しかし、肌機能の改善には、肌の内部構造を整えることが重要です。
項目 | 潤いを補う | 肌機能の改善 |
---|---|---|
目的 | 表皮の水分と油分を補充し、肌を保湿し、乾燥から守る | 真皮の状態を改善し、肌の弾力性やハリを維持する |
対象 | 表皮(肌の外側の層) | 真皮(肌の内側の深い層) |
ケア | 化粧水、乳液、保湿クリームなどのスキンケア製品を使用 | 抗酸化成分を含む化粧品やサプリメント、適切な食事、ストレス管理など |
効果 | 表皮の水分量を増やし、肌を保湿し、乾燥から守る | 真皮の状態を改善し、肌の弾力性やハリを維持する。表皮の水分量には直接的な影響を与えない。 |
つまり、うるおいを補うことは、肌の外側、特に表皮に水分と油分を提供して保湿し、乾燥から守ることです。一方、肌機能の改善は、肌の内側、特に真皮に働きかけて肌の健康を向上させ、若々しい見た目を維持することです。
乾燥肌や敏感肌の人は、外側・内側どちらにもアプローチしていかないと改善されないのです。
うるおいと肌機能の関係とは?
うるおいは、肌のバリア機能を高め、肌を健康に保つために欠かせません。
肌のバリア機能とは、肌が外部からの刺激から身を守る機能です。うるおいが不足すると、バリア機能が低下し、乾燥や赤み、かゆみなどのトラブルが起こりやすくなります。また、うるおいは、肌の弾力やハリを保つためにも重要です。角層が乾燥すると、肌が硬くなり、しわやたるみなどの原因となります。
つまり、うるおいが十分にあれば、肌のバリア機能が高まり、肌が健康に保たれるのです。
うるおいを補うことで肌機能が改善される
うるおいを補うことで、角質層の水分量を増やし、バリア機能を強化することができます。
これにより、肌荒れや炎症の予防・改善、乾燥による小じわの予防など、さまざまな肌機能の改善が期待できます。
うるおいを補うことと肌機能の改善は、どちらが重要
うるおいを補うことと肌機能の改善は、どちらも重要です。
うるおいを補うことで、肌表面が乾燥から守られ、ハリや弾力のある肌を保つことができます。一方、肌機能の改善は、肌のターンオーバーを正常化したり、肌の防御力を高めたりすることで、肌本来の力を回復させることができます。
どちらが重要かは、肌の状態によって異なります。うるおい不足が原因で肌トラブルを抱えている場合は、うるおいを補うことが先決です。
ですが、肌のターンオーバーが乱れていたり、肌の防御力が低下していたりする場合、うるおいを補っても根本的な解決にはなりません。そのような場合は、肌機能の改善する必要があります。
つまり、うるおいを補うことと肌機能の改善は、どちらも重要であり、どちらか一方だけを重視するのではなく、両方をバランスよく行うことが大切です。
うるおいを補うことと肌機能の改善は、どちらが難しい?
うるおいを補うことは、保湿剤や化粧水などで肌表面にうるおいを与えることで、比較的簡単にできます。しかし、肌機能の改善は、肌の奥にある水分保持力やバリア機能を高めることが必要なため、長期的なケアが必要です。そのため、肌機能の改善はうるおいを補うことよりも難しいです。
うるおいを補うことと肌機能の改善は、どちらが早く効果が出る
うるおいを補うことはすぐに効果が出ますが、肌機能の改善には時間がかかります。
うるおいを補うことは、肌の表面を覆って水分が蒸発するのを防ぐ効果があります。一方、肌機能の改善は、肌内部の水分保持力を高める効果があります。そのため、うるおいを補うことは、肌の表面を潤す効果がすぐに出ますが、肌内部の乾燥には効果的ではありません。一方、肌機能の改善は、肌内部の乾燥を改善する効果がありますが、すぐに効果が出るわけではありません。
肌の乾燥が肌機能にどのような影響を与るの?
肌の乾燥は、肌のバリア機能を低下させ、外的刺激から肌を守る力を弱めます。
また、肌のターンオーバーを乱し、肌の生まれ変わりが正常に行われなくなることで、肌荒れやシワ、たるみなどの原因になります。バリア機能も低下し、外的刺激から肌を守れなくなり、肌荒れや炎症、シワやたるみなどの老化、年齢肌の悩みが増え、悪化するケースも多くなります。
まとめ
うるおいを補うことは肌機能の改善ではありませんが、肌機能の改善に必要な前提条件です。
肌に水分と油分のバランスが整っていれば、肌自身が持つ力も発揮しやすくなります。逆に言えば、肌に水分と油分のバランスが乱れていれば、どんなに高価な化粧品を使っても効果は期待できません。
「うるおいを補うことは肌機能の改善とは違います!」は、肌の乾燥を防ぐことは大切ですが、肌本来の機能を回復させるためには、うるおいを補うだけでなく、肌のターンオーバーを促進したり、シミやシワの原因を抑えたりすることも必要であることです。
どちらが先か…という点では、まずはうるおいを補うことから始めてみましょう。
【うるおい重視】効果が期待できるアイテム
うるおい重視で人気のアイテムをピックアップします。
うるおい重視でアイテムを選ぶ際には、自分の肌質や悩みに合わせて、適切な保湿成分や機能を備えたアイテムを選んでみて下さいね。