50代女性の多くは、関節痛に悩まされることがあります。関節痛とは、手指や肘、腰、膝、足首などの関節に痛みやこわばりを感じる状態です。関節痛は、生活に支障をきたすだけでなく、心身の健康にも影響を与えます。
では、なぜ50代女性は関節痛になりやすいのでしょうか？
その原因と対策について、わかりやすく解説します。
→ 50代女性の関節痛の原因
50代女性の関節痛の主な原因は、「更年期」です。
更年期とは、女性が閉経を迎える前後の時期で、平均的には45歳から55歳くらいまでとされています。この時期には、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減少し、体にさまざまな変化が起こります。
エストロゲンは、妊娠や出産を支えるだけでなく、血管や骨、筋肉、自律神経などの機能を調整する重要な役割も果たしています。そのため、エストロゲンが不足すると、以下のような更年期症状が現れます。
- – ほてりや発汗
- – 不眠やイライラ
- – 肌荒れや抜け毛
- – 骨粗しょう症や動脈硬化
- – 関節痛
特に関節痛については、エストロゲンが減少することで軟骨が作られにくくなることが原因です。
軟骨とは、関節の間にある柔らかい組織で、骨同士がぶつからないようにクッションの役割をしています。しかし、軟骨が減ってしまうと、骨同士が摩擦し合って炎症を起こし、それが痛みとして感じられるようになります。また、軟骨を構成するコラーゲンもエストロゲンによって生成されるため、エストロゲンが低下するとコラーゲンも減少し、関節の柔軟性や弾力性も低下します。
さらに、50代女性は加齢による筋力低下や肥満も関節痛の原因となります。
筋力低下は関節を支える筋肉が衰えることで関節への負担が増えます。肥満は体重が増えることで関節への圧力が高まるです。これらの要因も合わせて、関節痛を引き起こしやすくなります。
50代女性の関節痛の対策
50代女性の関節痛を改善するためには、医療機関での治療と自宅でのケアが必要です。
医療機関での治療は、ホルモン補充療法や漢方薬などがあります。
ホルモン補充療法とは、エストロゲンを含む薬を服用することで、女性ホルモンの不足を補う方法です。漢方薬とは、体質や症状に合わせて処方される自然由来の薬で、体のバランスを整える方法です。これらの治療は、医師の診断と指示に従って行う必要があります。
関節痛…何科に行けばいいの？
整形外科をおすすめします。骨や関節の障害や疾患に対する診療を行う科ですので、関節痛の原因や治療法に詳しい医師が多いので細部まで診察してくれます。
自宅でのケア方法については、適度な運動や栄養バランスの良い食事などがあります。
適度な運動とは、関節を動かすことで血流を促進し、筋力や柔軟性を向上させることです。歩行や水泳、ストレッチなどがおすすめです。栄養バランスの良い食事とは、軟骨やコラーゲンの生成に必要な栄養素を摂取することです。大豆製品や魚介類、乳製品などがおすすめです。
また、エクオールという成分も関節痛に効果的だと言われています。エクオールは大豆イソフラボンを腸内細菌が変換したもので、エストロゲンに似た働きをします。エクオールはサプリメントや発酵大豆製品などから摂取できます。
関節通とリウマチの違いは何
50代の方は、関節痛に悩まされることが多いと思います。関節痛の原因はさまざまですが、中には関節リウマチという病気が隠れている場合もあります。関節リウマチは、免疫系の異常によって関節に炎症が起こり、進行すると関節が変形してしまう重篤な病気です。
| リウマチ | 関節通 | |
|---|---|---|
| 症状 | 関節の炎症や腫れ、朝のこわばりが継続的に現れる | 関節の痛みやこわばりが一時的に現れる |
| 原因 | 免疫系の異常による自己免疫反応 | 様々な要因による関節の負担や炎症 |
| 進行性 | 時間の経過とともに症状が進行する | 痛みの程度や頻度に個人差があり、進行しない場合もある |
| 炎症の範囲 | 複数の関節が同時に炎症を起こす | 特定の関節や部位に限定される |
| 他の症状 | 疲労感、発熱、筋肉の痛み、関節の変形 | 炎症以外の特定の症状は一般的には現れない |
| 診断 | 具体的な検査（血液検査、画像検査）が必要 | 症状や身体的所見を基に医師が診断 |
| 治療 | 炎症の抑制や症状緩和のための薬物療法、生活の管理 | 痛みの軽減や関節の保護のための処置や対症療法 |
早期発見・早期治療が重要ですが、更年期の関節痛と見分けるのは難しいです。関節の痛みが続くようであれば、整形外科できちんと診察したほうがいいでしょう。
まとめ｜50代の関節痛
エストロゲンが減少すると、関節の間の軟骨が作られにくくなり、骨同士が摩擦し合って炎症や痛みを起こします。また、加齢による筋力低下や肥満も関節への負担を増やします。
関節痛を改善するためには、医療機関での治療と自宅でのケアが必要です。治療はホルモン補充療法や漢方薬などがあります。ケアは適度な運動や栄養バランスの良い食事などがあります。また、エクオールも関節痛に効果的です。
ズキズキ、ジンジンして、夜中に目が覚めたり…関節が痛いと何をするにでも痛み、やる気も失せてしまいます。辛いし、市販の鎮痛剤を飲む生活も嫌ですよね。若い頃に比べ適切な処理が必要になってくるのが50代です！
最後までお読みいただきありがとうございました。